『企業戦略としてのデザイン アップルはいかにして顧客の心をつかんだか アップルはいかにして顧客の心をつかんだか』という書籍を、今回海外出張時に、持って行きました。自宅に買い置きしてあったなかから選んだ1冊で、よくある、スティーブ・ジョブスの伝記物、iPodやiPhoneの成功物語だろうと、あまり期待せず、読み終わったら、捨てて帰ってくれば良いという程度の思いで持ち出しました。
結果からいうと、目から鱗が落ちる、落ちまくる状態でした。アップルの工業デザイン担当取締役で、PowerBookなどのデザインを担当したロバート・ブルナーが、デザインについて解説した書籍でした。
ブルナーの唱える『デザイン』とは、商品の見た目ではなく、企業として、ユーザーに提供するものすべて、「ユーザー・エクスペリエンス」を、全体で設計しなければ、企業にとって、待ち受けているのは「死」しかない、という強烈な説です。
アップル、BMW、IBMのThikPad、サムスン、IKEAなど、すぐれた取り組みをした会社や製品についての事例を多く取り入れ、DELLやトヨタ、ヒュンダイが、どうして上記のような会社と、ユーザーの関係が違うのかを、鮮明に説明をしてくれます。
飛行機の移動中は、睡眠時間の確保の予定でしたが、あまりにもおもしろいために、一度読み終えた後、再度、最初の1ページ目から、すぐに再読を開始しました。
良書は、時間をあけて繰り返し再読をすることがありますが、読み終えた直後から、すぐに、読み忘れ、読み違いがないか、再読を開始することなど、今までの読書経験の中では無かったことでした。
2度目の読書の時には、eラーニングのサービスやプロダクトに置き換え、すぐれた「経験(エクスペリエンス)」を、どのように提供すれば良いのか。私たちの周りの会社で、会社全体、ユーザーとの関係、製品、従業員など、すべてをきちんと「デザイン」している会社は、どこだろうか。どのように改善をすれば、すぐれた「デザイン」の会社、サービスにすることができるのだろうか。
そんな事を考え、一気に飛行場に着陸するという経験をしました。書籍には、アンダーライン以外に、多くの書き込み、文章、イラスト、メモなど、書き込みで一杯になりました。KiBANがどのようなeラーニングを提供していくことが、最高のeラーニング体験を提供できるのだろうか、という課題をずっとずっと考え続け、試行錯誤を繰り返していた時だからこそ、心に染みる書籍であり、頭の中で、多くの戦略がスパークしたのかもしれません。
そんな事情はあるかもしれませんが、ビジネスマンすべてに、自信をもっておすすめすることのできる良書であると思います。帰国後、訳書ではなく、原書を取り寄せ、もう一度再読をしたいと思います。
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