今日は以下のレポートの要約です。ちょっと長いので2回に分けます。
教材配信の場としてのblogの活用
武蔵工業大学 環境情報学部 情報メディアセンタージャーナル 2006.4 7号
川原真生 志田晃一郎 横山孝典 吉田国子
●はじめに
高等教育機関でのeラーニングの普及率は低い(16.5%)(高等教育機関におけるIT利用実態調査2003)
なぜ低いのか
現状 eラーニングはLMSを用いたものが主流である。しかしLMSでは、
・使い勝手の悪さ
・学習者同士や、学習者と指導者とのコミュニケーションの悪さが問題となっている。
この点を解決する必要がある。(解決すれば普及に繋がる)
本研究では、blogに着目し、blogを用いたシステムがLMSと比べて学習者、指導者双方にとって
使いやすいかどうか、ユーザビリティ調査を行い検証した。
●1 e-leaningとは
(省略 eラーニングの概要)
●1.1 現在のe-learning
たいていの場合、LMSにコース作成ツールは含まれておらず、別途オーサリングツールを用いて
作成されるが、レイアウトセンス等も要求される為、簡単には作成できない。
代替として、講義ビデオなどを教材としてLMSに登録しているところも多いが、長時間ビデオを
みるという単純作業に飽きてしまい、学習意欲が継続されない。
また、ビデオの収録作業にも非常に時間がかかり大変である。
●1.2 LMSを用いたe-learning
(省略)
(LMSの機能概要)
●2 従来のe-Learning の問題点
・使い勝手の悪さ
様々な機能があるためにかえって使い勝手が悪く、商用LMSはカスタマイズが出来ない。
オープンソースLMSも公開されているがカスタマイズには非常に高度なスキルが必要である。
・学習者の孤立
コミュニケーションツール(チャット・掲示板)があるが、学習単元と連携していない また、 学習中に
さんしょうできるようになっていないので、コミュニケーションを図ることが難しい
質問・回答が教材と独立しているので、Q&A集として活用できない。
コミュニケーションが図られないので、教師側も学習者の状態を推測・把握することが出来ない。
コミュニケーションが図られないので、学習者は孤立していると感じる。
●CMSを用いたe-learning
上述のように、LMSには様々な問題点があるし、商用LMSは価格が高い。
商用・オープンソースともに、高度な知識を持つ管理者が必要である。
そこで、xoops、wiki、blog といった CMSシステムの利用を提案する。
ちなみに本研究では 以下の理由から blog が適していると判断した。
・xoops の e-learning適用時の問題点
- フォーラムが主となる構成の為、教材が載せにくい
- レイアウトのカスタマイズや機能の追加が困難である
- 教材がシステムに依存してしまう
・wiki の e-learning適用時の問題点
- コラボレーションツールの意味合いが強いので、教材とそれに対する意見の区別がついにくい
- 誰でも編集できるという利点は、教材の信頼性を損なうという問題を生む
- レイアウトのカスタマイズが困難である
・blog の e-learning適用時の利点
- 教材作成者を限定できる。記事本体とコメントが分離されている
- コメント欄をコミュニケーションツールとして利用できる
- レイアウトのカスタマイズが容易
次回に続きます。
--- この記事は 中村おりお が書きました。---
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