『スティーブ・ジョブズ神の交渉力―この「やり口」には逆らえない! 』(リュウ・ブックスアステ新書 48) (新書)竹内 一正 (著) を読みました。スティーブ・ジョブズの秘密の一部を見るようで楽しく一気に読み終えました。
単行本でも出版されていますが、私が読んだものは、新書になったものです。
Macユーザーとして、iPodユーザーとしてAppleは素晴らしいメーカーであると思いますし、スティーブ・ジョブズのスピーチ、生み出す製品には、いつも感嘆させられます。彼の秘密、アップルの秘密の一端でもしることができればと、出張中に読み始め、一気に読み終わりました。
以前は、気に入った部分を、よく万年筆でノートに書き写すことをしました。列車の中で何点か書き写しましたので、ここに紹介します。
P25
ジョブズは、製品を熱く語るのだ。ビジョンを信念で包んでしゃべるのだ。ここが並の社長や政治家たちと根本的に違う。ジョブズを見ていると、メッセージは、単にわかりやすく伝えるだけでは、ダメで、熱意や感動を込めることが大切だということがわかる。
P39-P40
経営情報はきちんと外に出すことが必要だが、あくまで正規ルートを通さなければならない。情報漏れは内部の結束を弱め、企業を弱体化させて敵を利する。
その後、ジョブズは、子羊をオオカミから隠すように、新製品パソコンiMacや、iPod,そして、iPhoneの情報を、関係部署以外に漏れないように徹底的に管理した。ダムに貯めた水量が多ければ、多いほど、放水時の勢いは増す。
P46
「過去をなつかんしんでみる暇があったら、未来を見る」
P78
ジョブズは「期待している」と語りかけ、「君ならできる」と言い続けた。
P83
ジョブズは、一方で完璧を追い求めつつ、もう一方でスピードへの執着もすごかった。(中略)だから、新製品の開発などでも、不可能なスケジュールを平気で口にできた。よくいえば、開発現場からの積み上げ算ではなく、マーケットが欲しがる費からの逆算ともいえる。
P86
アップルに復帰した40代のジョブズが、iPod開発メンバーに課した期間は、マッキントッシュのときと同様、まわりをおそれさせるほどのはハイスピードだった。
P90
ジョブズは基本的に、マイクロ・マネジメントを行う。現場のこまかい点にまでくちばしを突っ込んで、担当者レベルの些事までコントロールしたがる。
P91
ジョブズのエネルギーは、半径10メートル以上離れている人々を熱狂させ、半径5メートル以内の人々を恐怖に陥れる。
P91
ジョブズはこんなことを言っている。
「一流の人間だけで会社をつくれば、みんなが一流の人間を雇おうとする。だか、そこに二流が一人まぎれ込むと、そいつが同じ二流を集め始めるから、またたく間に会社が二流と三流だらけになってしまう」
P132
ジョブズは、「執念の人」だ。それが人間関係などに向かうと周囲を辟易させることもあるが、モノづくりに向かうとどうなるか。「ちょっといいもの」ではなく「ものすごいもの」を目ざすことになる。
P137
ビジネススクールでは「Wag the dog」(本末転倒の意味。犬が尻尾を振っている様子を、尻尾が犬を振り回していると見誤ることに由来する)を、失敗sるビジネスモデルの一つだと教える。単価の安い商品が、その一〇倍の単価の製品を主力とする事業を救うことは決してない。iPodのような成功は希少例だ。
P140
独創は「とことん」から生まれる
商品の根幹や仕事の大局に関わることであれば、執拗なこだわりも、それなりに役立つ。だが、ジョブズのこだわりは、だれも気にしないようなところにまで及ぶ。あるとき、とことんこだわったのが、完璧なハンダ付けラインの実現だ。(中略)電気回路設計者がもっとも注意を払うのは、設計通りに性能がでているかどうかだ。ハンダ付けラインで性能が変わるわけではない。ラインをまっすぐにするのはよけいな時間をとるだけムダだ。そもそもケースを開けなければ見えない。
P149
妥協的な好人物では、「独創的交渉」はできないのだ。
P153
(ジョブズ曰く)「毎日、会社に行っては、アップルでも、ピクサーでも、世界中で一番才能のある人たちと仕事をしている。世界一の仕事だ。でも、この仕事はチームスポーツなんだ。」
P168
(ジョブズ曰く)「ネットブームを見て問題だと思うことは、会社を始める人が多すぎることじゃくて、途中でやめてしまう人が多すぎることなんだ。」(あきらめないことの大切さを述べる)
P200
(ピクサー社のラセターの言葉)「ディズニーでも映画はつくれる。でも、ピクサーなら歴史がつくれる」
P218-P219
「人生で大きな決断を下す際にもっとも助けになったことは、もうすぐ死ぬということを頭に入れておいたことだ。周囲の期待やプライド、または失敗や恥への恐怖は、死を前にすると消え去り、本当に大事なことだけが残る。自分の気持ちに従わない理由はない。」
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