協調学習という学習形態があります。
これは、複数の学習者が集まって、コミュニケーションを取りながら学習を行う形態です。
---- eLC の用語集より 協調学習 ------------------------------------------------------------------------
協調学習
数人のグループで教え合ったり、協同で問題を解いたりする学習方式。学校など対面型の学習形態では日常的に実施されており、他人からの刺激による学習意欲の向上、他人との相互作用で思考を深め、知識を整理できるなどの効果がある。インターネットやLANなどの技術を利用して、より効果のある協調学習の実現を目指した研究が行われている。代表的なものにコンピュータを利用した協調学習「CSCL」(Computer Supported Collaborative Learning)があり、Web掲示板、メールを利用する「非同期式」と、チャットや会議システムを利用する「同期式」の2形態がある。
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ちょっと長々と引用してしまいましたが、協調学習そのものは、このような難しい用語を
つかわなくとも、グループディスカッションなどとして、教育の現場では良く使われる
手法です。また、この協調学習を支援するツールとして、CSCLというものがあると思って
いただければ間違いないかと思います。
さて、CSCLのシステムですが、基本的には、チャットや掲示板などの仕組みを元に
オンラインで仮想的に協調学習を行うのですが、根本とする仕組みはそれほど難しくは
ありません。(チャットや掲示板なので。)
もちろん、CSCLツールとして売られたりしているものは、議論の方向性が視覚化できる
など、より高性能になっています。しかし、あくまでも、根本技術は簡単な仕組みです。
その証拠に、専門のCSCLツールを利用しなくても、wikiやブログ、MSNやyahoo!のメッセンジャー
SNSなどのサービスを利用して協調学習を実施しようという試みもなされています。
この、wiki やブログ、SNSが生み出したWeb2.0的な流れ、誰でも簡単に発信者になれる
という流れは、LMSの方でも十分考えて、取り込んでいかないといけない流れだと思います。
たとえば、
・ eラーニングにおける学習者の孤立の問題(他の学習者の状況がわからない)
・ コンテンツの数が不足している。コンテンツの再利用が難しい
など、現状LMSが抱えている問題点を解決してくれる糸口となる気がします。
(ただし、SNSやブログなどをそのままの形で、教育に応用することは、これらのツールの
成立思想が異なるため、様々な問題点をはらむようです。)
参考文献
企業内人材育成入門
中原淳 編著 ダイアモンド社
e-Leaning環境での協調学習支援のためのメタデータ化と知識共有の研究
科学研究費補助金基盤研究 基礎研究(B)(1) 研究成果報告書
教材配信の場としてのblogの活用
武蔵工業大学 情報メディアセンタージャーナル 2006.4 7号
日本イーラーニングコンソシアム 用語集のページ
---- この記事は 中村おりお が書きました。---
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