先日、使い放題型のeラーニングシステムに関するニュースをご紹介しました。
そこでわたしたちは、このようなシステムが、
大学での講義や、自分で本を読んで学習することと比較して、
費用がどれくらい異なるのかを考えてみました。
ちょっと計算なんかもしてみてますが、ご興味のある方は最後までおつきあいください。
さて、まずeラーニング使い放題の価格の基準は、先日のニュースを参考に、
PC1台で100コースの学習ができて84,000/年、というものを使うことにしましょう。
この価格に比べて、大学の場合はどうでしょう。
平成19年現在、国立大学は、入学金が282,000円、授業料が535,800円/年です。
4年間(282000円+535800円/年×4年=2、425,200円)で取得できる教材は、
124コース(124最低単位数)ですので、100コースあたりの費用は1,955,800円となります。
(ただし、これは大卒という資格取得費用も含まれていることに留意が必要です。)
次に塾などの一般的な資格取得講座だと、
3,000~6,000円/月となります。
すると、年額は1講座あたり36,000~72,000円程度となります。
仮に100講座受講したとすると3,600,000~7,200,000円。莫大な金額ですね。
一方、皆さんが最も手軽に利用する書籍教材の場合、
100円のものもあれば、735,000円もするものもありますが、
3,000円前後が中央値となりそうです。
書籍を100冊準備していて参照するとしたら、300,000円程度となります。
いずれの学習スタイルと比べても80,000円前後では安い気がします。
しかし、ここで注意する点は「100講座使い放題」という条件です。
実際に100講座全てが、自分の望む学習内容と一致するということはないでしょう。
また、時間的にも100講座のサービスをフルに利用するのは現実問題として無理です。
(学習することが第一義の大学生が、
1年で30単位前後が基礎となっていることからも明白です。)
つまり、このサービスは、「自分の享受できる以上の量」を提供されているのです。
皆さんは雑誌を読まれる際、全部の掲載記事をお読みになるでしょうか?
雑誌は、読みたい漫画もそうでない漫画もひとまとめにされて売られています。
一方単行本は、読みたい漫画のみを選んで購入することができます。
この、「100講座使い放題」サービスは、雑誌の販売スタイルに似ています。
つまり、「自分の望む以上の教材コース」を提供されているわけです。
そこで大学や資格取得講座、書籍と使い放題のeラーニング形態を、
「単行本型」と「雑誌型」に見立てて再度検討をしてみましょう。
(現在、単行本と雑誌の価格比は約3.5:1となっています。
また、一年間で30コース受講するものとして計算。)
大学講義との比較だと
端末契約=600,000×1÷3.5=170,000>84,000(ただし大卒資格なし)
資格取得講座と比較すると
54000×30×1÷3.5=463,000>84,000
書籍だと、
3000×30×1÷3.5=26000<84,000
となります。
実際に学習スタイルを選択する際、
「価格」と「本当に必要な教材コース」を踏まえて考えるわけですから、
まだ、価格は値下がる余地がありそうです。
なお、eラーニングが日本よりも浸透している韓国では、使い放題型のeラーニングが約3,000円/月という料金設定だそうです。