~教材開発の手順~
自分で作る教材のイメージが固まったら、
次は、どのような手順で教材を作成していくかみていくことにします。
●Plan-Do-See
Plan-Do-See とは、システム的なアプローチの3つの段階を指します。
Plan は 計画すること、
Do は実行すること
See は結果を見る(評価する)ことを指します。
ここで重要なのは、評価から計画に戻る矢印、評価→計画です。
システム的なアプローチでは、完全な計画は一度ではできないと
考えています。やりながら直していく、少しずつ実行して、その結果を
みてだめなところを修正する。その繰り返しでだんだんと良い物を作っていきます。
●システム的な教材設計・開発の手順
1.出入り口を決める 学習目標の明確化とテストの作成
2.中の構造を見極める 構造分析図の作成
3.教え方を考える 指導方略表の作成
4.教材を作る 教材の開発と形成的評価の準備
5.教材を評価する 形成的評価の実施と教材の改善
1.出入り口を決める 学習目標の明確化
出入り口を決めるのは、誰に何を教えるのかを明確にすることです。
つまり教材を使う人がどんな人で(入り口)、その人が何を学んで
教材を終えるか(出口)を明確にするということです。
ここをしっかりしておかないと、どうなっていれば教材として成功で
何ができなければ教材として失敗しているのか、という評価が
できなくなってしまうので、非常に重要です。
システム的なアプローチでの具体的な作業としては、
教材を作る前にテストを作成するということになります。
2.中の構造を見極める 課題分析
出入り口が明らかになれば、実際の教材作成に入ることができますが、
教える内容が複雑である場合は、入り口と出口の間に、どんな内容が
どんな関係で存在するかを整理して、あらかじめ計画しておくと良い
とされています。この作業を「課題分析」といいます。
3.教え方を考える 指導方略
課題分析が終わったら、その一つ一つをどんな作戦でクリアするか
考えます。この、教え方の作戦が、指導方略です。
4.教材を作る 教材開発
これまでの段階で、教材の計画をたててきましたので、ここでは
実際に教材の作成に入ります。
5.教材を改善する 形成的評価と改善
実際に教材を使ってもらって評価する事を、形成的評価といいます。
教材の良い点と悪い点を明らかにして、教材の改善を行っていきます。
※この文章は、IDの考えにのっとった教材を作成するために、
「教材設計マニュアル」著:鈴木克明 北大路書房
を参考にIDの考え方を紹介するとともに、実際に教材を作成
してみる事を目標にしています。IDの考え方に興味を持たれ
ましたら、是非、原書の参照をお奨め致します。
(ここでは文字数の都合で紹介しきれなかった、様々な示唆、
ノウハウに接する事ができます。)
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