さて、これまで「行動主義」「認知主義」の考え方を紹介しましたが、今回紹介する
「状況主義」とはそれらとは一風異なる考え方です。この考え方(状況主義)は、
頭の中の知識には焦点をあてません。人間が知的な振る舞いをするには、実際の環境
の中での振舞いや相互作用が重要という視点です。
人間が知的な振る舞いをする際は、自己完結的にそれを行うではなく、他者との協調や
道具を用いることによってそれを行う。人間が賢くなっていくときに、他者や道具と
どのような関係を持っているかということが状況主義では焦点となってきます。
例えば、新入社員の場合、はじめのうちは上司について行くだけかもしれませんが、
だんだんと営業資料を作成したり、一部分の説明を任されたりしていきつつ、
最終的には上司の同行無しでも仕事をこなせる様になっていきます。
この時、この新入社員は、自分ひとりで賢くなったのではなく、説明を受ける顧客や
必要なときに助けてくれる上司なだ、周りを取り巻く様々な環境があってこそだと
いう事です。
このよな外部の状況と本人の関係の変化が、状況主義のおける学習そのものであるといえます。
※この記事の参考文献
「企業内人材教育入門」 中原淳 編著 ダイヤモンド社
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