さて、前項では、利用者側の視点からeラーニングのメリットを見てみましたが、導入者側の視点からは、どんなメリットが浮かび上がってくるでしょうか。
(前出の白書には、こちらのアンケートは無いようなので、弊社の導入事例などから考察します。)
■eラーニング導入のメリット(導入者側)
・研修にかかるコストを抑えることが出来る
・集合研修の内容を深化させることが出来る
・管理の手間を減らすことが出来る
いろいろと、eラーニング関連の相談を受ける場合、まず、根本として上記のようなニーズがあるように思われます。
研修にかかるコストを抑えることが出来る
これは、組織全体に共通の教育科目(コンプライアンスやセキュリティ、個人情報の取扱いなど)を実施する場合に、特に意識されているように思われます。全員に同じような教育を実施する科目の場合、これを集合研修で賄おうとすると、大きな組織や地域的広がりをもつ組織の場合、集めたり講師を派遣するだけで非常にコストがかかるので、eラーニングによって教育を行うことで、講師の派遣費用や、移動費用などを節約しよう、という意図ですね。
ここで対象となるような科目は基礎科目なので、比較的とっつきやすい科目である、という傾向があるので、eラーニング化しやすいのかも知れません。
集合研修の内容を深化させることが出来る
eラーニングが集合研修に役立つ、というのはちょっと意外な組み合わせかもしれませんが、これが今主流の「ブレンディットラーニング」という手法によって実現されています。要は、eラーニングと集合研修をミックスさせて、より効果を高める事を意図した手法です。
ある事例では、とあるメーカーで社内の機械設計の研修の場合、これまでの集合研修のみの場合だと初日のほとんどは、設計の為のソフトウェアの講習で終わってしまう為、実のある研修をするには、1泊2日や2泊3日の研修を組まなければならなかったのですが、ソフトウェアの使い方の部分を動画にしてeラーニングで実施し、基本操作は出来るレベルで集合研修に参加して貰ったところ、約半分の日程でこれまでと同等の研修を実施できた。という事お伺いしています。このようにeラーニングを活用することで、集合研修の効率も上げることができるんですね。
管理の手間を減らすことが出来る
「本やCDの置き場所を考えなくて済むし、内容が更新されてもバージョンアップが直ぐに出来る。」なんというか、筆者のようなシステム側の人間からすると当たり前すぎて、どうにもピンとこないメリットなんですが、とある人事の担当者がなんとも現在の苦労を感じさせる表情でこのメリットを語ってくれたので、非常に印象に残っています。
t特に、法律や金融関係の場合、しょっちゅう法律が変わり、しかもそれを誤認しているととんでもない事になりかねないので、更新版を管理する(最新版を常に学習者の手元に)というのは非常に労力をかけていたのかもしれません。
この例は、非常に原始的な、管理の手間の低減ですが、その他にもeラーニング化することで、学習者の状況(ちゃんと勉強しているかどうか)を一目で把握することが出来るなど、電子化することで、管理の手間の低減につなげています。
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