先週末、留守録に懐かしい声が録音されていた。6年前まで私は名古屋で仕事をしていた。その時の経営者仲間で、庭師の集団を率いていた柴田さんだった。
私は、夜も更けていたが、折り返し電話してみた。驚いたことに、東京の日比谷公園で(25日土曜日から)開催されているガーデニングショーで優勝して1週間展示されるというのだ。
柴田社長は、若い頃、京都で修行した腕の立つ和の庭師だ。私は、本当に嬉しく26(日)に日比谷公園に見に行った。
画像でも分かるようにバランスのとれた日本庭園の要素を凝縮した素晴らしい出来栄えだ。
手水鉢は、灯篭の頭を逆さまにした再利用品である。これは、昨今の地震の被害で、灯篭が危険だと考える人が引き取ってくれとのことで、廃棄処分が増えているため、柴田社長が知恵を絞って手水鉢として再利用したものだ。
石畳はフランスの色彩を意識したもので、和のなかにも鮮やかさをアクセントにしている。
また水苔をさりげなく配しているなど、繊細さも忘れていない。極めつきは、どの角度から見てもバランスされている佇まいだ。優勝の東京都知事賞もさもありなんである。
この作品には、裏話がある。6年前の柴田社長の悩みは、社員が育たないことであった。職人の悪いクセで、自分より未熟な若者に仕事を任せることができなかったのだ。
それからの6年間、社員教育に力を入れたのはもちろんのこと、本人の意識改革も大きかったと言う。
自分でやって見せて、やらせてみて、褒めて社員を育てていたのだ。今回の作品も、デザイン、図面は柴田社長がひいたのだが、実際の作業は、分担を決め社員全員を信じて任せてできた結果なのだ。
6年前に「自分以外は仕事ができない社員ばかりだ」と嘆いていた柴田社長は、もうどこにもいなかった。
「この石は若い誰だれがやったんだよ」と嬉しそう話す柴田社長は賞をとったことよりも、社員全員で作りあげたことに、またチーム一丸となってとった賞に心の底から喜びを感じているようだった。
今回は、eラーニングもキバンも出てこなかったが、eラーニング支援室のメンバーもひとつのチーム。もっと言えばキバンもチームだ。eラーニング支援室を預かる身としては、この日の
柴田社長の姿、言葉を肝に銘じて、ひとりひとりを大切に育て、eラーニングの最高の賞を目指していきたい。